茶道で裏千家のお点前手順を調べる人の多くは、単純に動作の順番だけを知りたいのではなく、どこから覚えれば混乱しにくいのか、薄茶と濃茶のどちらを先に意識すべきか、風炉と炉で何が変わるのかまで含めて、全体の見取り図を求めています。
とくに裏千家は、割稽古、盆略点前、薄茶平点前という形で段階的に学ぶ場面が多いため、いきなり細部だけを暗記しようとすると、なぜその所作になるのかが分からず、少し条件が変わっただけで手順が崩れやすくなります。
また、お点前は亭主側の動作だけで成立するものではなく、客のいただき方、道具の拝見、あいさつの間合いまで含めて一つの流れになっているので、手順を本当に理解したいなら、出す側と受ける側の両方をつなげて把握することが欠かせません。
ここでは、裏千家のお点前手順を初心者にも追いやすい形で整理しながら、まず覚えるべき薄茶平点前の流れ、風炉と炉の違い、客作法とのつながり、練習で抜けやすいポイント、公式教材の活用法までを、稽古で迷いにくい順番に沿って詳しく解説します。
茶道の裏千家お点前手順は薄茶平点前の流れから押さえる
裏千家のお点前手順を学ぶときに最初の軸になるのは、複雑な応用点前ではなく、基本がまとまって入っている薄茶平点前の流れであり、ここで身につけた運び出し、清め、点茶、しまいの感覚が、ほかの点前を理解する土台になります。
実際の稽古でも、座り方やふすまの開け閉めなどの基本動作を整えたうえで、割稽古や盆略点前を通して部分動作を確認し、それから薄茶の運び点前へ進む形が分かりやすく、初心者ほどこの順番を意識したほうが手順の暗記が楽になります。
ここで大切なのは、最初から一挙手一投足を機械的に覚えることではなく、どの場面で何の道具を扱い、何を整え、何を客へ差し出すのかという目的をセットで理解することであり、その考え方が定着すると細部の修正にも対応しやすくなります。
まず全体像を五段階でつかむ
裏千家のお点前手順は細かく見ると長く感じますが、最初は道具を整える段階、清める段階、点てる段階、出す段階、しまう段階という大きな五つのまとまりで捉えると、流れの骨格が一気に見えやすくなります。
初心者が混乱しやすいのは、所作の名前を覚える前に動きだけを追ってしまうことにあり、どの場面が準備で、どこから点茶に入り、どこで客とのやり取りが生まれるのかを区切って理解すると、途中で止まっても戻りやすくなります。
- 道具の運び出しと位置決め
- 帛紗さばきと茶器類の清め
- 湯と水を扱いながら点茶の準備
- 茶を点てて客に出す
- 茶碗の取り込みと拝見物の扱い
この五段階はあくまで覚え方の骨組みですが、最初に大づかみの順序を頭に入れてから各動作を肉付けしていくと、単なる丸暗記にならず、先生から細部の直しが入ったときにも全体のどこを修正しているのかが分かるようになります。
割稽古を先に入れる意味
裏千家でお点前に入る前に割稽古を重ねるのは、手順を細切れにして簡単にするためだけではなく、茶碗、棗、茶杓、帛紗、柄杓といった道具ごとの扱い方を体に入れ、あとで一連の流れにしたときに無理なくつながるようにするためです。
たとえば棗を清める所作や茶筅通しのような動きは、単体で見れば短い場面でも、薄茶平点前の中では前後の所作と滑らかにつながる必要があるため、部分稽古で手先と体の向きを整えておくことが、結果的に全体の手順を安定させます。
割稽古を省いて最初から通しで覚えようとすると、覚える量は一見少なく見えても、実際には毎回細部でつまずくため、どこで間違えたのかが分からないまま場面全体をやり直すことになり、上達の速度がかえって落ちやすくなります。
つまり割稽古は遠回りではなく、裏千家のお点前手順を崩れにくくする下地づくりであり、初心者ほど面倒がらずに取り組んだほうが、その後の薄茶平点前や客作法の理解まで一気に楽になります。
盆略点前から始める理由
盆略点前が入門初期に重視されやすいのは、正式な茶室の動線や運び出しの複雑さをいったん減らしながらも、帛紗の扱い、棗を清める手順、茶を点てて出す感覚といった基本の芯をまとめて学べるからです。
裏千家の初心者向け案内でも、盆略点前は手軽にお茶を点てられる簡便な点前として位置づけられており、割稽古で学んだ一つひとつの動作を、初めて流れの中でつなげる橋渡しの役割を果たします。
この段階で大事なのは、盆略点前を簡略版だから軽いものと見るのではなく、のちに薄茶平点前へ進んだときに必要になる手順感覚を身につける練習だと捉えることであり、道具の向きや置き場所への意識もここで育ちます。
盆略点前を丁寧に経験しておくと、運び出しや建水、蓋置、柄杓の扱いが増える薄茶平点前へ移っても、まったく新しいことを覚える感覚ではなく、すでに知っている基本に新しい条件を足していく学び方に変わります。
運び出しで流れを乱さない
薄茶平点前で最初に大きな山場になるのが道具の運び出しであり、ここで置く位置と順番が曖昧だと、その後の清めや点茶の所作まで連鎖的に乱れるため、最初の数分こそ落ち着いて正確に行う必要があります。
運びの点前では、向こう側に置くものから整えていく感覚を持つと流れが整理しやすく、水指、茶碗と薄器、建水と蓋置と柄杓という大きなまとまりで見ると、なぜその順に運ぶのかが理解しやすくなります。
ここでありがちな失敗は、置いたあとの自分の座る位置や次に触る道具まで考えずに動いてしまうことであり、単に運ぶだけの場面に見えても、点前座の景色を整え、次の所作に入りやすい体勢をつくる大切な準備だと考えるべきです。
運び出しが安定すると、その後の点前全体に落ち着きが生まれるので、初心者のうちは速度よりも、持ち方、置き方、向き、座る位置をそろえ、毎回同じ景色を再現する意識で稽古すると手順が定着しやすくなります。
清めと湯水で点前の骨格が決まる
裏千家のお点前を見ていて初心者がもっとも混乱しやすいのは、帛紗で清める場面と、柄杓で湯や水を扱う場面が続くところですが、ここは単なる見せ場ではなく、道具を整え、お茶を点てられる状態へ移すための骨格部分です。
棗や茶杓を清める所作は、お客様に対して道具をあらためる意味を持ちながら、同時に自分の気持ちと動作を整える時間でもあり、ここが雑になると、その後の茶巾、茶筅、湯の扱いまで落ち着きを失いやすくなります。
また、柄杓の扱いは単に湯をくむ道具操作ではなく、釜、水指、茶碗の関係を結び直す重要な場面であり、どの位置から取り、どこへ返すのかという順序を理解しておくと、風炉と炉の違いにも対応しやすくなります。
清めと湯水の場面を乗り切るコツは、見た目の優雅さを先に目指すことではなく、何を清めているのか、何のために湯を扱っているのかを言葉で説明できる状態まで理解を深めることであり、それが結果として所作の安定につながります。
お茶を点てて出す場面を整理する
点茶の場面では、茶碗に抹茶を入れ、湯を加え、茶筅で点て、茶碗の正面を整えて客に出すという流れが中心になりますが、初心者は一連の動作をただ急いで通そうとして、前後の意味づけが抜けやすいので注意が必要です。
裏千家の薄茶では、おいしく点てることと同時に、客へ出したあとの受け渡しまで含めて一つの完結した場面になるため、茶を点てる直前と点てた直後の姿勢、茶碗の向き、差し出す気持ちまで意識すると手順が締まります。
| 場面 | 意識したいこと |
|---|---|
| 抹茶を入れる | 量よりも落ち着いた順序を崩さない |
| 湯を加える | 湯の扱いと茶碗の安定をそろえる |
| 点てる | 速さだけでなく飲みやすさを意識する |
| 茶碗を出す | 正面と差し出す間合いを整える |
点茶をうまく見せようとして手先だけに集中すると、客に出す場面で急に動きが硬くなることがあるため、点てるところで終わりではなく、出して受け取られるまでが薄茶の一場面だと考えると、流れが途切れにくくなります。
しまいと拝見までが一連の手順
お点前はお茶を出した時点で終わりではなく、茶碗を取り込み、使った道具を整え、必要に応じて拝見物を出し、最後に水指や建水を扱って退出へ向かうところまでが一連の手順としてつながっています。
初心者ほど、客にお茶を出したあとに気が抜けて、茶碗の取り込みやしまいの順番が曖昧になりやすいのですが、後半は前半の動作を静かに閉じる場面であり、ここが乱れると全体の印象も散漫になります。
とくに拝見が入ると、どの道具をどの順で出し、どの位置に置き、客が見終えたあとにどう取り込むかまで考える必要があるため、単独の動作ではなく、客とのやり取りを含んだ終盤の構成として覚えると理解しやすくなります。
最後まで手順を安定させるには、終わりの場面だけを切り出して何度も練習するのも効果的であり、前半に比べて回数が少なくなりがちな後半こそ、意識して反復するとお点前全体の完成度が上がります。
風炉と炉の差を先に知ると混乱しにくい
裏千家のお点前手順を覚え始めた人が季節の変わり目で戸惑いやすいのは、同じ薄茶平点前でも、風炉と炉では釜の位置、蓋置の置き方、体の向き、柄杓の扱いに差が出るため、ただ通しの順序だけを覚えていると急に動けなくなるからです。
一般に炉の時季は十一月頃から四月頃、風炉の時季は五月頃から十月頃とされ、設えが変わることで所作の景色も変化するので、初学の段階から両者を別物として恐れるより、どこが共通でどこが差分かを整理しておくほうが身につきやすくなります。
ここでは、季節によって変わる要点を細部の技法ではなく、初心者がまず押さえるべき観察ポイントとしてまとめるので、先生の指導で細かな修正が入ったときも、何を基準に直しているのかが分かりやすくなるはずです。
季節で道具の位置が変わる
風炉と炉の違いで最初に意識したいのは、釜が置かれる位置の変化によって、点前座の景色そのものが変わることであり、それに伴って自分の座り方や体の向け方、蓋置の見え方まで調整が必要になる点です。
初心者はつい手先の差だけに注目しがちですが、実際には釜の位置が違えば、柄杓を取る方向も、湯をくむ間合いも、茶碗と水指の見え方も変わるため、まず全体配置を目で覚えるほうが混乱を減らせます。
| 見るポイント | 風炉 | 炉 |
|---|---|---|
| 釜の位置 | 畳上の風炉にかかる | 切られた炉にかかる |
| 点前座の見え方 | 横方向の広がりを感じやすい | 斜めの意識が強くなりやすい |
| 体の向き | 比較的素直に前へ構えやすい | 釜との位置関係に応じて調整が増える |
| 混乱しやすい点 | 夏場の軽さで急ぎやすい | 向きと取り回しが曖昧になりやすい |
季節差を理解するときは、一つひとつの所作を別々に暗記するより、道具の位置関係が変わるから動きが変わるという因果で覚えると、次の年に風炉から炉へ戻ったときも思い出しやすくなります。
柄杓と蓋置の感覚を切り替える
風炉と炉の差で手順の印象を大きく変えるのが柄杓と蓋置の扱いであり、ここが曖昧だと、湯をくむときの姿勢、釜の蓋の扱い、次の所作へ移るテンポまで不自然になりやすくなります。
とくに初心者は、柄杓をどう引くかだけを覚えてしまいがちですが、実際には釜と蓋置の位置関係の変化に応じて自然に扱いが変わると見るほうが理解しやすく、動きの意味もつかみやすくなります。
- 釜の位置が変わると柄杓の間合いも変わる
- 蓋置の置かれる景色が変わると手順の見え方も変わる
- 同じ所作名でも体の向きが少しずつ異なる
- 急いで覚えるより毎回の置き位置を固定するほうが定着しやすい
先生の指導で細部が違って見えても、柄杓と蓋置はその場の都合で変えているのではなく、設えに合わせた理に沿っていることが多いので、道具の位置をよく観察しながら稽古すると手順の理解が深まります。
風炉から炉へ変わる時季のつまずき
季節の切り替わりで起こりやすい失敗は、前の時季の感覚が残ったまま体が動いてしまい、座る角度や手の出る方向がずれたり、蓋置や柄杓の扱いで一瞬迷ったりすることであり、これは初心者に限らず毎年起こりやすい現象です。
この混乱を減らすには、年に一度の切り替えを特別なイベントとして見るのではなく、風炉と炉の共通部分と差分を毎回言葉にして確認し、今日はどちらの設えかを最初に声に出して認識する習慣をつけるのが効果的です。
また、最初の数回は通しで上手くやろうとせず、運び出し、柄杓の扱い、しまいといった差が出やすい場面だけを重点的に復習すると、短時間でも感覚の切り替えが進み、全体の流れが戻りやすくなります。
季節差に強い人は記憶力だけが優れているのではなく、毎回の稽古で景色の違いを観察していることが多いので、自分の失敗を単なる覚え間違いで終わらせず、どの位置関係で迷ったのかまで記録すると次回の修正がしやすくなります。
客作法まで理解するとお点前が立体的に見える
裏千家のお点前手順を本当に身につけたいなら、亭主としての動作だけを追うのではなく、客がどのように茶碗を受け、どんなあいさつをし、どの場面で拝見するのかまで理解することが大切であり、それによって自分の所作の意味がはっきりします。
裏千家の公式案内でも、薄茶をいただく際には正客が次客へあいさつをし、亭主へ「お点前ちょうだいします」と礼をし、茶碗を回していただき、飲み口を清めて拝見して返す流れが示されており、亭主の点前はこの客作法と呼応しています。
客の動きが分かるようになると、なぜこの位置に茶碗を出すのか、なぜ拝見物をこう置くのか、なぜあいさつの間が必要なのかが腑に落ちるため、表面上の順序だけよりも深く、お点前全体の手順を記憶しやすくなります。
薄茶のいただき方を亭主目線で知る
客作法を知るうえでまず押さえたいのは、薄茶をいただくときに正客が次客へ「お先に」とあいさつし、亭主へ礼をしてから茶碗を受け、正面を避けるように回して飲み、飲み口を清めて戻すという一連の流れです。
この手順を亭主目線で理解すると、自分が差し出した茶碗が客の前でどのように扱われるかが見えてくるため、茶碗の正面の向き、出す位置、拝見しやすい置き方が、単なる型ではなく相手のための配慮として実感しやすくなります。
- 正客はまず次客へあいさつする
- 亭主へ礼をしてから茶碗を受ける
- 茶碗の正面を避けるように回していただく
- 飲み口を清めて懐紙で指先を清める
- 拝見して元の位置に返す
客のいただき方を知っている亭主は、茶碗を出した瞬間に終わった気持ちにならず、その後の受け取りや拝見まで見通した所作になりやすいので、手順を定着させたい初心者ほど客作法を早めに学ぶ価値があります。
正客と次客の違いを整理する
茶席では全員が同じように見えても、正客と次客では役割に違いがあり、その違いを知ると、お点前のどこで応答が生まれ、亭主がどの相手を基準に動いているのかが分かりやすくなります。
とくに拝見やあいさつの場面では、正客が中心になってやり取りを進めることが多いため、亭主側も正客との間合いを意識して動くことになり、ここを理解していないと、なぜその位置に道具を出すのかが曖昧になりがちです。
| 立場 | 主な役割 | 亭主が意識する点 |
|---|---|---|
| 正客 | 最初のあいさつや拝見の中心になる | 受け渡しと応答の基準になりやすい |
| 次客 | 正客に続いて所作を行う | 席全体の流れを乱さず受け継ぐ |
| 詰 | 席の終わり側を整える役割を持つ | 全体の収まりを意識しやすい |
もちろん茶会の形式や指導内容によって細かな表現は異なりますが、正客が席の窓口になるという感覚を持っておくと、亭主の手順も一人で完結しているわけではないことが見えてきて、お点前の理解が立体的になります。
客を見る力が手順記憶を助ける
お点前の練習では、自分が亭主の役をしていない時間をただ待ち時間にせず、客席から道具の運び出し、礼の間、茶碗を出す位置、拝見の受け渡しまで観察すると、体で覚えにくい部分を目で補えるようになります。
これは単なる見学ではなく、客として席にいるときに、今どの場面なのか、次に亭主は何をするのかを予測しながら見る訓練であり、その積み重ねが自分の番になったときの先読みにつながります。
また、客席からだと自分では気づきにくい癖も見えやすく、茶碗を出す位置が遠い、礼が浅い、拝見物の置き方が急いで見えるといった点を客の視点で把握できるため、手順の修正が具体的になります。
結果として、客を見る力がつくほど亭主としての手順記憶も強くなり、ただ順番を思い出すだけでなく、どの所作が相手にどう見えるかまで含めて再現できるようになります。
初心者でも覚えやすい練習法を組み立てる
裏千家のお点前手順は、一度や二度通しただけで完全に定着するものではなく、どの場面で迷い、どの道具で止まりやすいのかを自分で把握しながら、分解と通しを組み合わせて反復した人ほど早く安定します。
とくに初心者は、先生の前で通したときだけ覚えた気になり、家に帰ると順番が抜けることが多いので、稽古場で受けた指摘をその日のうちに整理し、次回までに思い出せる形へ変える仕組みを持っておくと差がつきます。
ここでは、暗記力に自信がない人でも実践しやすい方法として、意味で覚える、声に出して順序化する、失敗を記録するという三つの軸から、裏千家のお点前手順を体に入れやすくする練習法を紹介します。
一手ごとに意味で覚える
手順を覚えるときに最も効果が高いのは、動作名だけではなく、今は何を整えているのか、誰のための所作か、次の動きにつなぐために何をしているのかという意味を一緒に覚える方法です。
たとえば、道具を清める場面なら見た目をきれいにするためではなく、扱う道具をあらため、茶を点てる準備を整え、席の緊張感を保つための所作だと理解すると、順番の前後関係が頭に残りやすくなります。
- 運ぶのは次の所作の場所を整えるため
- 清めるのは道具をあらためるため
- 湯を扱うのは点茶の状態をつくるため
- 出すのは客とのやり取りを成立させるため
- しまうのは席を静かに閉じるため
意味で覚える方法は、先生から細部の違いを指摘されたときにも強く、たとえ置き位置や角度の修正があっても、所作の目的が分かっていれば混乱が少なく、応用点前へ進んでも崩れにくい基礎になります。
声に出す順序化で抜けを防ぐ
家で復習するときは、実際の道具がなくても、手順を短い言葉に区切って口に出し、頭の中で座る位置や道具の景色を思い浮かべながらたどるだけで、記憶の抜けをかなり見つけやすくなります。
声に出す練習の利点は、曖昧な場面がすぐ分かることであり、何となく覚えているつもりでも、言葉にしようとすると「建水の前に何をしたか」「拝見の前にどの道具を取り込むか」が急に止まるため、弱点の洗い出しに向いています。
| 練習のしかた | 期待できる効果 |
|---|---|
| 手順を五段階で言う | 全体像の抜けを防げる |
| 一場面ずつ短く言う | 迷う箇所を特定しやすい |
| 季節差を口で確認する | 風炉と炉の切り替えに強くなる |
| 客作法も一緒に言う | 亭主側の意味づけが深まる |
無言で手だけ動かす復習は雰囲気に流されやすいので、初心者のうちは恥ずかしくても、短いキーワードで順番を声に出し、そのあと実際の所作に重ねるほうが、記憶が長く残りやすくなります。
失敗を残すノートが効く
お点前が上達しやすい人は、うまくできた場面よりも、どこで止まったか、どの道具で迷ったか、先生から何を直されたかを具体的に残しており、その積み重ねが次回の稽古で同じ失敗を減らす力になります。
ノートといっても長文である必要はなく、風炉の建水で座る位置が浅かった、柄杓を取る前に目線が泳いだ、茶碗の正面を出す前に一呼吸足りなかったといった形で、場面と原因を短く書ければ十分です。
さらに、失敗だけでなく、なぜ直されたのかを自分の言葉で添えておくと、単なる注意メモではなく理解の記録になり、次に同じ場面へ来たときに、手順そのものの意味まで思い出せるようになります。
とくに裏千家のお点前手順は、細かな置き位置や間合いの修正が積み重なって形になるため、毎回の小さな注意を流さず蓄積することが、結果として大きな安定につながります。
裏千家らしい学び方を知ると独学の限界も見える
茶道には複数の流派がありますが、裏千家のお点前手順を学ぶときは、一般的な茶道解説を幅広く読むだけではなく、裏千家としての基本作法や学びの段階を理解しておくことが大切であり、それによって情報の取り違えを防ぎやすくなります。
裏千家では、基本的な点前作法を統一して学べる体制が整えられており、割稽古から始めて段階的に許状へ進む考え方や、初心者向けの映像教材、参考図書が用意されているため、学びの道筋を知るだけでも独学の迷いはかなり減ります。
ただし、お点前は動画や記事だけで完全に身につくものではなく、座る位置、体の向き、手の高さ、礼の深さといった微差は実地で直してもらって初めて整う部分も多いので、情報収集と稽古場での確認をどう使い分けるかが重要になります。
裏千家は基本作法を段階的に学ぶ
裏千家の学び方を理解するうえで重要なのは、いきなり複雑な点前へ進むのではなく、入門段階で基本動作と割稽古を行い、そのうえで盆略点前や薄茶へと進み、さらに小習や茶箱点などへ広げていく段階性があることです。
この流れを知っていると、自分が今どの位置にいるのかを把握しやすくなり、まだ習っていない場面を無理に独学でつなげようとして混乱するのを防げるため、初心者ほど学習段階の見取り図を持つ意味があります。
| 学びの段階 | 主な内容 | 身につけたい視点 |
|---|---|---|
| 入門初期 | 座り方、立ち方、ふすま、割稽古 | 基本動作の安定 |
| 初歩 | 盆略点前、薄茶平点前 | 流れの理解と反復 |
| 基礎の拡張 | 小習、茶箱点など | 条件が変わっても崩れない基礎 |
| その先 | 濃茶や上位の点前へ展開 | 意味と作法の一致 |
段階的に学ぶ発想を持つと、今の自分に必要なのは完璧な暗記ではなく、基本の景色と流れを確実にすることだと分かるので、焦って多くを詰め込まず、裏千家らしい積み上げ型の習得がしやすくなります。
公式教材と稽古場をどう使い分けるか
独学で情報を集めるときは、個人ブログや動画だけに頼るのではなく、裏千家の公式案内や参考図書、映像教材を起点にして、自分が見ている手順が裏千家の文脈に沿っているかを確認する姿勢が大切です。
とくに初心者は、学び方の順序を示す資料が役立ちやすく、裏千家の公式サイトには初心者向けの茶道教室記事、参考図書、映像教材の案内があるので、稽古場で習った内容を復習する補助線として活用しやすいはずです。
- 映像教材の案内で学習順序を確認する
- 参考図書で用語と手順の整理を深める
- 客作法の基本を公式解説で確認する
- 稽古場では座る位置や間合いの修正を受ける
公式教材だけで完結させようとするのではなく、家では順序と言葉を整理し、稽古場では形と間を直してもらうという役割分担にすると、裏千家のお点前手順を効率よく、しかも流派の枠から外れにくい形で学べます。
独学で済ませないほうがよい場面
記事や動画でかなり詳しい手順に触れられる時代でも、独学だけで済ませないほうがよいのは、礼の深さ、ひじの張り方、茶碗を置くわずかな位置、柄杓を扱うときの高さのように、見たつもりと実際の差が出やすい場面です。
また、裏千家の点前は、同じ名称でも季節や道具組、棚の有無、稽古段階によって注意点が変わることがあり、表面的な順序だけ覚えてしまうと、先生からの一言で全体が崩れたように感じることがあります。
だからこそ、予習として流れを把握するのは有効でも、最終的には自分の体の向きや座り位置を見てもらい、その場の設えに合った直しを受けることが欠かせず、それが独学では埋まりにくい差になります。
独学の役割を過大評価せず、手順の整理と復習に使い、完成度を高める部分は稽古場で吸収すると考えるほうが、結果として裏千家のお点前手順を自然で美しい形に近づけやすくなります。
迷わず身につけるための着地点
茶道で裏千家のお点前手順を覚えたいときは、最初から完璧な通しを目指すより、割稽古で部分を整え、盆略点前で流れをつかみ、薄茶平点前で全体像を固めるという順番を意識することが、もっとも無理のない近道になります。
そのうえで、風炉と炉の差分、客作法とのつながり、拝見まで含めた終盤の流れを少しずつ理解していけば、単なる暗記ではなく、なぜその所作になるのかが分かるようになり、先生からの修正にも柔軟に対応しやすくなります。
家での復習では、意味で覚えること、短い言葉で順序を口に出すこと、失敗を書き残すことを続けると、稽古のたびに記憶が積み上がり、次第に道具の位置や間合いまで自然に思い出せるようになります。
裏千家のお点前手順は一度読んだだけで身につくものではありませんが、全体像を見失わず、公式情報と実地の稽古をうまく組み合わせれば、初心者でも確実に前へ進めるので、まずは薄茶平点前の骨格を自分の言葉で説明できるところから始めるのがおすすめです。


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